頭頸部外科・腫瘍外来
頭頸部外科は脳と目を除いた首から上のすべての領域を診る外科で、一般の耳鼻咽喉科では診断できない部分も診察します。
具体的には、鼻、耳、口、喉、舌、甲状腺、食道上部など様々な部位を含みます。
頭頸部外科・腫瘍外来は、頭頸部にあたる場所にできたできものやしこり、「ものが飲み込みにくい」といった機能障害や違和感などを取り扱う診療科です。
このような症状でお悩みではありませんか?
- のどに違和感がある
- 声が枯れて治らない
- むせやすくなった、ものを飲み込みにくくなった
- 鼻やのど、耳、舌、くびにしこりができた
- あごの下が腫れる
- 味やにおいがわかりにくい
- いつもより体調が悪い など
当院で診察可能な頭頸部がん(腫瘍)
新潟市江南区にあるとがし医院(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)は、頭頸部外科を専門領域としていますので、頭頸部がんの診察にも対応しています。
頭頸部にできる腫瘍のうち、悪性のものを「頭頸部がん」と言います。日本ではがん全体のうち約3%と少なく、非常に専門的な分野です。以下で、当院で診察可能ながんについてご説明します。
口腔がん
口の中(口腔)にできるがんです。粘膜組織から発生する扁平上皮がんと呼ばれる組織型が約90%を占め、口の中にしこりができる、口内炎が治らない、歯がぐらつくといった症状が起こります。
上咽頭がん
鼻の奥、喉の上にあたる上咽頭の組織にできるがんです。初期には症状はあまりありませんが、進行すると耳が詰まる感じや鼻づまりのような症状が出てきます。頭頸部のリンパ節に転移して初めて発見されることもあります。
中咽頭がん
口の奥にあたる咽頭の中間部の組織にできるがんです。喫煙や飲酒以外に、子宮頸がんの原因でもあるHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因でも起こることがあります。最近はHPVが原因のがんが半数を占めており、増加傾向にあります。
下咽頭がん
咽頭の一番下の部分の組織にできるがんです。初期にはこれといった症状がないことが多く、進行すると喉が痛い、飲み込みにくいといった症状がでることがあります。
喉頭がん
舌の根元から気管までの組織にできるがんで、声帯を中心とした場所にできることが多いです。3人に2人は声帯からがんが発生します。そのため、初期症状として声のかすれを自覚することが多いです。
鼻・副鼻腔がん
鼻のまわりにある副鼻腔や、鼻の中の組織にできるがんです。頭頸部にできるがんの中では比較的珍しく、頭頸部がん全体の7.6%という統計結果があります。
甲状腺がん
甲状腺の組織にできるがんです。普通はしこり以外にほとんど症状はありませんが、呼吸困難、声のかすれ、飲み込みにくいといった症状が出ることがあります。
唾液腺がん(耳下腺がん、顎下腺がん、舌下腺がんなど)
唾液腺を作る臓器の組織にできるがんです。唾液腺がんの内訳としては耳下腺がん、顎下腺がんが90%で、それ以外のがんは非常に珍しいです。
原発不明がん
本来、頸部リンパ節からがんが発生することはありません。頸部リンパ節にがんが認められた場合、身体のどこかにできたがんがリンパ節転移を起こした可能性が高いです。検査を行っても原発の場所がわからない場合に「原発不明がん」と呼ばれます。
原発不明の場合でも、場所がわかるまで治療を待つわけにいきません。切除できる場所は、基本的に手術が治療の第一選択となります。手術で症状がある部位を切除する際、扁桃腺も同時に摘出してがんがないかどうか調べます。
頭頸部がん検診
検診項目が決められているわけではありませんが、頭頸部の視診・触診・内視鏡による検査を行う施設が多いです。
頭頸部がん検診をお勧めしたい人
- 飲酒、喫煙の習慣がある方
- 過去に家族が頭頸部がんと言われている方
- 頭頸部にできものができたなどの症状がある方
検査内容
視診・触診
実際に目で見て、触れた感覚で腫れやしこりの有無を調べます。
内視鏡
喉の奥など、外からは見えないところを観察します。
疑わしい部分があれば、組織を採取して細胞を調べます。
超音波検査
超音波を使って臓器全体を観察し、大きさやしこりの有無を調べます。
病理検査
採取した組織の一部の細胞から、がん細胞の有無や種類を詳しく調べます。
頭頸部がん検診の費用
頭頸部領域に症状がある方は、保険診療の対応をさせていただきます。
無症状の方で頭頸部がん検診をご希望される方は、9,900円(税込)となります。
ご希望の方は、受付にご相談ください。