喉の違和感は、様々な原因で起こります。 基本的には2週間程度症状が続く場合には受診をおすすめします。 以下では、それぞれの症状について詳しく見ていきます。
喉のイガイガ・引っかかりで考えられる疾患
喉の違和感の主な原因として考えられる疾患には、次のようなものがあります。
鼻や喉の炎症
扁桃炎
扁桃腺に細菌・ウイルス感染を起こすことで生じます。
高熱と、ものを飲み込むときに感じる強い痛みが特徴です。
咽頭炎
喉の奥に存在する咽頭が炎症することで、喉の腫れや痛み、違和感が生じます。
慢性化することもあり、喉の違和感が続く場合があります。
喉頭炎
喉仏付近に炎症が生じます。
咳、喉の違和感に加えて、声がれといった特徴的な症状が現れます。
急性喉頭蓋炎
急性喉頭蓋炎では、急激に症状が悪化することが多く、非常に強い喉の痛みが特徴的です。
高熱を伴う場合もあるので、疑わしい場合は早期に受診しましょう。
気管支炎
風邪症状に併発することが多く、空気の通り道である気管から気管支にかけて炎症が生じます。
特徴的な症状として、喘息に似たゼエゼエする呼吸や咳、痰がらみなどがあります。
副鼻腔炎
副鼻腔と呼ばれる空間で炎症が起こった状態です。
慢性化すると蓄膿症とも呼ばれ、鼻の痛み、嫌なにおい、黄色い鼻水などの症状が現れます。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストが原因となり、鼻粘膜の炎症が続く状態です。
鼻水、鼻づまり、くしゃみ、かゆみなどの症状が起こります。
扁桃周囲膿瘍
扁桃炎が悪化すると扁桃周囲の組織が化膿し、膿が溜まることで扁桃周囲腫瘍となる場合があります。
薬物治療では十分な効果が期待できないため、基本的には手術治療が必要になります。
副咽頭間隙膿瘍・後咽頭間隙膿瘍
喉の中でも筋肉や気道に近しい領域で炎症が起きている状態です。
発熱や喉の痛み、飲み込みが痛くなるなどの症状が現れます。
腫瘍
声帯ポリープ
風邪や声の出し過ぎにより、声を出す器官である「声帯」に小さなしこりができる疾患です。
ポリープが邪魔をするので声枯れや、声の出しにくさが主症状として現れます。
咽頭がん
咽頭にできる悪性腫瘍で、喫煙やアルコールの過剰摂取が要因とされています。
初期症状として喉の痛み、ものを飲み込んだ時の違和感などが起こります。
喉頭がん
発生部位により「声門がん」「声門上部・下部がん」に分かれます。
発症リスクとしては喫煙が危険であることがわかっています。
初期症状は声門がんでは声がれが特徴的ですが、声門上部・下部がんでは声がれが起きにくく、発見がしばしば遅れることがあります。
その他(消化器疾患など)
胃食道逆流症
胃酸が喉に逆流することで、胸焼けや酸っぱいものが込み上げてくるなどの症状が現れます。
酸による刺激が加わるので、喉の痛みや声がれが併発することがあります。
原因疾患の治療のため、胃酸を抑制する薬を処方したり、消化器内科を紹介することもあります。
咽喉頭異常感症
検査をしても特別な異常が発見されないが、症状として喉の違和感や引っかかりを感じる状態です。
別名「ヒステリー球」とも呼ばれており、詳細な原因や発症機序は不明な点が多いです。
基本的にはストレスが影響していると考えられているため、必要な場合は心療内科を紹介することがあります。
喉のイガイガ・引っかかる場合の検査
喉の違和感の原因を調べるために、触診や視診を行い、詳細な検査のため内視鏡検査や画像診断、声帯の観察などを行います。
検査の結果、他の病院での精密検査が必要となる場合もあります。
喉のイガイガ・引っかかる場合の治療法
原因によって異なりますが、一般的には、薬物治療、生活習慣の改善が行われます。
当院では患者様お一人おひとりに合った治療方法を提案して、喉のイガイガ、引っかかるといった違和感を解消するよう努めて参ります。