イヤホンが原因で外耳炎になる!?
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの間の部分である外耳に炎症が起こる病気です。外耳に炎症が起こる場合としては、耳掃除のやり過ぎで外耳の皮膚を傷つけたり、耳の穴を指で掻いて傷つけたり、耳栓やイヤホンの装着によって起きたりすることなどが考えられます。
イヤホンで外耳炎になるケースとしては、イヤホンの長時間の装着によって耳の穴が高温多湿になって菌が繁殖しやすくなり、耳の穴の皮膚の傷に感染して炎症を起こす場合があります。
外耳炎を防止するためには、外耳を塞がない骨伝導イヤホンに変えたり、できるだけ長時間装着したままにしないようにしましょう。
外耳炎とは
毎日耳掃除をする方や、アレルギー体質の方、特に若い女性に多く見られ、また水泳の時に耳栓をする方にも多く見られるものです。
主な症状は耳の痛みやかゆみのほか、耳だれなどですが、炎症の悪化によって外耳道が腫れると難聴や耳づまりといった症状も伴います。
炎症が軽い場合は自然に治ることもありますが、糖尿病などの持病がある方や高齢者の方は合併症を伴うこともあり、注意が必要です。
数日経っても症状が改善しない場合は、新潟市江南区にあるとがし医院(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)へご相談ください。
外耳炎の症状
耳の痛み
耳を引っ張ったり、押したりする場合や顎を動かしたりする場合に痛みを感じます。
耳のかゆみ
耳がかゆいからといって耳を強くこすってしまうと、炎症が悪化してさらにかゆみを増すことになります。
アレルギー体質の方は、シャンプーなどの刺激によりかゆみを生じることもあります。
耳だれ
白または黄色の汁が分泌物となって出ます。
難聴
外耳道が腫れたり、膿や分泌物のかすが詰まったりすることで聴力が低下します。
耳鳴り
キーンとした音を感じる場合があります。
耳の閉そく感
耳づまりを感じる場合があります。
外耳炎の原因
外耳炎の主な原因は、耳掃除などの際に耳かきや指の爪などで外耳道の皮膚に傷を作ってしまうことで、そこから細菌が入って外耳炎が起こります。
外耳炎は、緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が耳の中の傷に入り込むことによって発症するケースがほとんどですが、稀に真菌(カビの一種)によって難治性の外耳炎(外耳道真菌症)が起こることもあります。
外耳炎になりやすい生活習慣とは?
耳掃除のしすぎ
外耳炎の原因として最も多いものは、耳掃除のしすぎです。耳の奥には迷走神経という神経が走っており、ここを刺激すると気持ちが落ち着くことがあり、ついこの部位を刺激する耳掃除は習慣化しがちです。
しかし、気持ちが良いからといって毎日耳掃除をするのはよくありません。頻繁に耳かきをして外耳道の皮膚を傷つけてしまうと、そこから細菌が入って外耳炎を発症します。
長時間のイヤホン使用
イヤホンの長時間使用が原因で外耳炎を発症することがあります。イヤホンを耳に装着すると耳の中が高温多湿になりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。このような状態で耳の中に傷があると、細菌が入り外耳炎を発症しやすくなります。
外耳炎の検査・治療
検査
続いて細菌培養検査を行います。耳だれがある場合、その一部を採取して検査を行います。炎症の治りが悪い場合は抗生剤を使用した治療を行いますが、その際の判断となります。
治療
外耳炎の治療を行う上で重要なことは、塗り薬の塗布を行う時以外は耳を触らないことです。
感染による分泌物などの除去や消毒
外耳道の中にできた傷口に細菌などが感染して、外耳道の中に生じた分泌物などをきれいにし、消毒することで聞こえづらさが正常な状態に戻る場合があります。
薬物療法
抗菌剤入りの点耳薬や、ステロイドの点耳薬・軟膏を患部に塗布することで症状の改善をはかります。
炎症の範囲が広い場合や、外耳道湿疹を併発している場合には、抗菌剤や抗アレルギー薬の内服が必要になります。
また、痛みがひどい場合には鎮痛薬の服用が必要になります。
外耳炎の予防や注意点
耳掃除は月に1回程度にし、強くこすらないようにしましょう。またイヤホンの長時間使用も避けるように気をつけましょう。
外耳炎の症状が現れている場合や、治療中の場合は、プールで泳ぐ場合や入浴中に水の中に潜らないようにしてください。
また、ヘアスプレーなどが異物として外耳道に入ってしまうことで外耳炎を発症することもありますので、ご注意ください。
耳掃除について
月に1回程度の耳掃除で十分ですので、頻繁に耳掃除を行っている場合は徐々に回数を減らすようにしましょう。
また耳かきの挿入は、耳の入り口から1センチくらいの深さまでとしてください。それより奥に挿入すると皮膚を傷つける恐れがあります。
イヤホンの使いすぎに注意
この状態では耳の中で細菌が繁殖しやすくなり、外耳道の中に傷があると細菌が入りやすくなります。
リモートワークなどで会議中イヤホンを装着する時間が長い方は、一定時間ごとにイヤホンを外して耳の中が高温多湿になるのを防いだり、骨伝導のイヤホンを使用するなどして耳の中が高温多湿の状況にならないように気をつけましょう。