鼻血が出る・止まらない・片方だけ鼻血が出る
ただ、正しく対処すればほとんどの場合、出血は短時間で治まります。また、片方だけ鼻血が出る程度なら心配はありません。しかし、鼻血が止まらなかったり、何度も出血を繰り返したりする場合には、重大な病気が隠れている可能性もあります。
ここでは、鼻血の原因、特に注意すべき症状および鼻血の止め方を解説します。
鼻血が出る原因はストレス?疲れ?
疲れやストレスが溜まっている時は体調を崩しやすい傾向にありますが、鼻血が関係しているかはわかっていません。ただ、持病などが悪化することで鼻血が出てしまうことは考えられます。
他にも、次のような原因があげられます。
鼻の乾燥
乾燥により鼻粘膜の表面にある粘液が乾いて傷つきやすくなることで、鼻血が出やすくなります。また、このように鼻粘膜のバリア機能がなくなった状態で鼻に触れる機会が増えてしまうことも原因と考えられます。
風邪・鼻炎・アレルギー性鼻(花粉症)など
鼻水やくしゃみが多く出ることで鼻に触れたり、鼻をかんだりする機会が増え、鼻の粘膜が傷ついてしまうことがあります。また、熱が出ると血管が拡がるため鼻血が出やすくなります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、鼻の側にある副鼻腔と呼ばれる部位に炎症が生じる病気で、蓄膿症とも呼ばれています。副鼻腔炎にかかると鼻水や発熱の症状が見られるため、鼻血が出ることがあります。
鼻中隔湾曲症
鼻中隔湾曲症とは、鼻を左右に隔てている鼻中隔と呼ばれる仕切りが曲がっている状態を指します。湾曲が小さい場合は特に問題ありませんが、大きく曲がっている場合は鼻の粘膜が傷つきやすいため、鼻血が出やすくなります。
高血圧・動脈硬化
高血圧の場合は、血管にかかる圧力が高くなり鼻粘膜の血管が傷つきやすくなるため、鼻血が出やすくなります。
また、動脈硬化が原因で、鼻の後ろの方にある太い血管が脆くなることで鼻血が出てしまうことがあります。
どちらも鼻が直接の原因箇所ではないため、出血が止まりにくい場合があります。
肝臓や血液の疾患
肝臓に疾患があったり、白血病や血友病などの血液の病気があったりすると、止血に必要な成分が足りなくなってしまうため、鼻血が止まりにくくなることがあります。
皮膚の内出血、歯茎からの出血、高頻度の鼻血が見られる場合は、これらの疾患に注意が必要です。
薬の影響
心筋梗塞や脳梗塞などの方が血栓予防のための抗凝固薬や抗血小板薬などを服用していると、血液がサラサラになることで血が固まりにくくなってしまい、鼻血を繰り返すことがあります。
薬の影響による鼻出血は、鼻の奥の方で起こることもあり止血しにくいため、注意が必要です。
注意すべき鼻血の症状
- 量が多い:血があふれ出て、顔が真っ青になっている場合
- 止まらない:20分以上経っても出血量が減らない場合
- 何度も出血する:出血はすぐに止まるが、1日の中で何度も出血する場合
これらの症状が現れる時は、専門的な処置を必要とする場合があるので注意が必要です。
鼻血の止め方
鼻血が出るとびっくりしてしまいますが、まずは落ち着いてティッシュを用意しましょう。
初めに小鼻をしっかり外から押さえます。鼻をつまむように親指と人差し指で押さえても良いでしょう。その体勢のまま5~10分ほど安静にすると、ほとんどの鼻血は止まります。
ティッシュを鼻の穴に詰めることは、あまりおすすめできません。なぜなら、鼻の粘膜を傷つけてしまったり、鼻の奥に入って取り出せなくなったりする恐れがあるからです。基本的には外側に出てきた血を拭き取ることをおすすめします。
もし座った状態ではつらいという方は、頭をやや高くし、横を向いて寝た姿勢になりましょう。喉の方に流れてくる血は口から吐き出します。この姿勢の場合は仰向けにならないことが大切です。喉に流れた血が固まり、血栓となって窒息することがあるからです。
突然鼻血が出て止まらない・鼻血を繰り返す場合は受診しましょう
しばらくすれば止まることがほとんどですが、出血量が多かったり、何度も出血しているのにもかかわらず、「鼻血くらいで病院に行くのも…」と考えて放置されている方が少なくありません。このような場合は、何か病気が隠れている可能性があります。
たかが鼻血と思って油断せず、頻繁な鼻血の原因がよくわからないという場合は、新潟市江南区のとがし医院(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)へご相談ください。