リンパ節腫脹とは?
腫脹の原因によってリンパ節の状態は違いますが、炎症性の場合はリンパ節が平らで軟らかく、可動性があって痛みを感じることが多いです。がんが転移している場合は硬くて可動性はなく、痛みがないことが多いと言われています。
リンパ節腫脹ができる場所
腫脹している場所とその他の症状によって、考えられる病気は様々です。
全身のリンパ節が腫脹している場合、ウイルス性感染、自己免疫性疾患、白血病、リンパ腫など全身性の病気が考えられます。
一部のリンパ節が局所性に腫脹している場合、腫脹している場所の局所炎症、がんの転移、結核などが考えられます。
リンパ節腫脹の原因は?
リンパ節腫脹の主な原因として、感染症によるもの、自己免疫疾患によるもの、悪性疾患によるものの3つが考えられます。8割は感染症や自己免疫疾患など、免疫反応による腫脹です。軽い風邪の後にリンパ節腫脹を感じる人もおられますし、場合によっては予防接種の直後に免疫反応によるリンパ節腫脹が見られることもあります。
感染症によるもの
細菌やウイルスなどの感染症が原因の場合、数日間のうちに急にリンパ節が腫れて痛みを伴います。多くの場合、自然に良くなったり、治療で腫れが引いていったりします。原因となる主な感染症として、伝染性単核症、サイトメガロウイルス感染症などが挙げられますが、結核などは慢性に経過します。また、リンパ節自体が炎症を起こすリンパ節炎が原因となる場合があります。
自己免疫疾患によるもの
自己免疫疾患による腫脹は、壊死性リンパ節炎、全身性エリテマトーデスや成人スティル病などでよく見られる症状です。ほかにも、関節リウマチやシェーグレン症候群などで時々起こります。自己免疫疾患の治療薬が原因でリンパ節腫脹が起こる可能性もあります。
悪性疾患によるもの
悪性疾患では、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、がんの転移が原因で腫脹が見られます。痛みがなく、数週間から数ヶ月のペースでゆっくり腫脹する場合は、悪性疾患を疑うことが多いです。
リンパ節腫脹の検査
リンパ腫が疑われる場合は生検で細胞を採り、病理検査でリンパ節そのものの組織を調べます。リンパ節が3cm以上に腫脹している、腫脹が1~2ヶ月続く場合も同じく生検を行います。
リンパ節腫脹は様々な原因で起こる可能性があるため、検査結果のほかの情報も重要です。リンパ節腫脹に気がついたきっかけやそのほかの症状、アレルギーや既往歴、ペットの飼育歴などの情報も併せておうかがいして診断に役立てます。
リンパ節腫脹の治療
原因となる疾患を治療することで、リンパ節腫脹も炎症が原因の場合は、炎症を抑える治療として抗生剤や抗炎症剤を使用します。
短期間ステロイドを使用することもあります。多くの場合、1~2週間で改善が見られることが多いです。
悪性疾患の場合は、原因に合わせてガイドラインに沿った治療を行います。