2つのタイプがあるアレルギー性鼻炎・花粉症
花粉(ブタクサ、すぎ、ヒノキ)、ペット、ほこりなどがアレルギー性鼻炎の原因物質となって、鼻炎を引き起こします。
アレルギー性鼻炎(花粉症)の原因は?
アレルギーの原因物質を吸い込み体の中に入ると、アレルギー反応が起こります。植物の花粉は季節によって症状が現れ、ハウスダストはオールシーズン症状が現れます。最近では、大気汚染物質のPM2.5やカビ、細菌などが含まれる黄砂でアレルギーの症状が出る方が増えています。
アレルギー性鼻炎(花粉症)の症状
- 鼻水
- 鼻詰まり
- くしゃみ
- 目がかゆい
- 頭痛
- 喉に違和感がある など
アレルギー症状が強く出るのは朝です。夜、人間が寝て行動しなくなると床にほこりが溜まります。寝ると床が近くにあるので、溜まっているほこりを吸うことで朝に症状が出やすいとされています。寝ている時に鼻水が溜まるので、起床した時に強く症状が現れるのです。
アレルギー性鼻炎(花粉症)の検査
鼻の中の粘膜をよく観察するために、内視鏡や鼻鏡で鼻づまりや鼻汁、鼻の腫れなどをチェックします。目や喉のかゆみ、鼻出血の有無なども確認し、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息がないかを診察します。
様々なアレルギー性鼻炎の検査方法がありますが、当院では下記の血液検査を実施しております。血液検査で抗体(IgE)を調べると、何に対してアレルギー反応が出ているのかが判明します。
20分で分かるアレルギー検査(イムノキャップラピッド)
スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヤケヒョウヒダニ、ヨモギ、ゴキブリ、イヌ皮屑、ネコ皮屑のアレルゲンが判定できます。採血も少量でほんの少しチクッとするだけなので、小さなお子様でもご安心して受けていただけます。20分で検査結果がわかるので、忙しい方にもおすすめの検査方法です。
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花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎をお持ちで、原因物質を突き止めたい方におすすめの検査です。
アレルギー性鼻炎の治し方・薬が効かない場合は?
アレルギー性鼻炎の治療方法として、主に次の4つの方法があります。
アレルギーの原因物質の除去・回避
日常生活でアレルギーの原因になる物質を取り除くことで、アレルギー性鼻炎の症状を抑え、予防に効果が期待できます。晴れた日に布団を干して掃除機等でダニを除去する、外出したら服に付いた花粉を払って家に入る、家の掃除は小まめにすることを心がけて、アレルギー性鼻炎の原因となるダニ、花粉、ほこりの発生を抑制することが大切です。
また、湿度50%、室温を20~25℃ほどに維持するとダニの増加を抑えられます。犬や猫などのペットでアレルギーが出る方は、小まめにペットの体を洗って清潔にしましょう。
薬物療法
薬物療法では以下のような薬を使用します。
抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
アレルギー性鼻炎のお薬で多く使われるのが抗ヒスタミン薬です。安全性が高いと言われていますが、副作用として喉の渇きや集中力の低下、眠気などが現れる場合があります。
また、効果が出るまで1週間程度の時間を要することがあります。
抗ロイコトリエン薬
アレルギー性鼻炎の鼻づまりなどに効果があると言われています。抗ロイコトリエン薬の副作用はほぼないとされていますが、アレルギー性鼻炎の症状の緩和に十分な効果が期待できないこともあります。
薬の特性からアレルギー性鼻炎だけではなく、喘息にも効果があります。そのため、咳が出ているアレルギー性鼻炎の方に効果的です。
鼻噴霧用ステロイド
ステロイドは副作用が強いというイメージをお持ちの方が多いです。しかし、ステロイドは様々な病気に使用できる便利な薬と言えます。炎症や免疫を抑える働きがあるので、医師の指示に従い使用すれば、体への影響を回避しながら、鼻の粘膜に十分な効果をもたらします。
1日1回だけ噴霧するものや、小さなお子様にも使える鼻噴霧用ステロイドなど、色々なタイプがあります。
アレルゲン免疫療法(皮下注射・舌下免疫療法)
アレルギーの原因物質を少量ずつ体内に採り込んで、物質に体を慣れさせるのがアレルゲン免疫療法です。
アレルギーの原因物質が含まれる治療薬を舌の裏に投与します。昔は「皮下注射」という方法で同じような治療が行われていましたが、受ける方が増加してきたのは最近です。2014年から保険で治療できるようになりました。
手術(レーザー治療・日帰り手術)
アレルギー性鼻炎の治療のための手術は、ひどい鼻づまりで薬が効かない場合に有効です。
CTなどを使って検査し、鼻の中の状態を詳しく調べます。状態に応じて、鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介骨切除術など行い、鼻からの空気を吸いやすくします。
経鼻腔翼突管神経切除術では、抗ヒスタミン薬で効果が出なくなり、鼻水が止まらないケースに有効です。その他、鼻の粘膜を電気で焼く方法、鼻粘膜にレーザーを当てて粘膜の炎症を抑えて症状を緩和する方法など、様々な手術があります。レーザーを使用した手術は痛みや出血をあまり伴わないので、日帰りで行うことが可能です。
当院では手術をおこなっていませんので、連携病院をご紹介します。
アレルギー性鼻炎になった場合に避けた方が良い食べ物
アレルギー性鼻炎の方が避けた方が良い食べ物として、下記が挙げられます。
マーガリン、ジャンクフード
ジャンクフードとは、ピザ、カップラーメン、スナック菓子、炭酸飲料(砂糖入り)、飴、アイスなどです。マーガリンの摂取量にも注意しましょう。これらの食品にはトランス脂肪酸が含まれており、過剰に摂取するとアレルギーの原因になると言われています。
脂っこいもの、脂身が多いお肉
から揚げや天ぷらといった脂っこいものや、脂身が多いお肉を多く食べると、腸内環境が悪くなります。アレルギーを引き起こす原因になるので、脂肪を落とした調理法で作るようにしましょう。炒める、煮る、蒸す調理がおすすめです。お肉は脂身の少ないものを選ぶか、鶏肉の皮を取り除いてから調理すると余計な脂肪を減らすことができます。
お酒類
お酒を過剰に摂取すると、腸内の悪玉菌が増加するリスクがあります。一度にたくさんお酒を飲んでしまうのは、腸内環境に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
トマト
スギ花粉とトマトのアレルゲンの作りが似ているので、スギ花粉症の方はトマトを食べるのは避けましょう。喉がかゆくなったり、イガイガしたりする症状が現れることがあります。
スイカ、メロン
ウリ科の果物であるスイカやメロンは、ブタクサと似たアレルゲンの作りになっています。食べてしまうと、喉がイガイガしたり、口の中にかゆみが出たりするので注意しましょう。
こどもの耳鼻科(小児耳鼻科)
そのため、大人と比べると耳・鼻の病気にかかりやすいと言うことができます。一方で、言葉で正確に症状を訴えることが難しいため、受診が遅れがちです。
当院では、ちょっとした症状でも気軽に相談できる耳鼻科を目指しています。鼻水の吸引、耳掃除だけでも受診していただけます。そういったところから病気の発見につながることも少なくありません。
「あれ?」と感じた時には、ためらうことなく、当院にご相談ください。
小児科?耳鼻科に迷ったら?
小児科では、こどもの病気全般を診ます。そして耳鼻科では、耳・鼻・のどを専門的に診ます。
そのため、お子様に全身症状が現れている場合には小児科を、耳・鼻・のどの症状が現れている場合には耳鼻科を受診するというのが一般的な考え方です。ただ、これも明確な境界線が存在するわけではありません。もちろん、必要であれば紹介が受けられますので、それほど悩まず、まずは受診されることを優先するべきかと思います。
また、小児科でも耳鼻咽喉科でも、お子様のかかりつけ医を見つけておくことが大切です。なお、耳鼻科では風邪の診療も行います。鼻やのどの状態をより専門的に調べ、細やかな治療を提供します。中耳炎の合併の有無を調べられるのも、耳鼻科の特長と言えるでしょう。
当院で対応する小児耳鼻科
- 風邪
- 中耳炎
- 耳垢や耳垢の詰まり